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小須戸ARTプロジェクト2022 | 小須戸ARTプロジェクト

小須戸ARTプロジェクト2022

小須戸地域では、2013年から、全国公募で選ばれたアーティストが地域に滞在し、地域資源の調査や創作活動に取り組むAIR(Artist In Residence:アーティスト・イン・レジデンス)事業を行っています。

プロジェクト開始から10年目を迎えた今年も、新たに3名が地域を訪れ、昨年度リサーチを行った1名も加えた計4名のアーティストがそれぞれの視点で地域のリサーチ・作品制作を実施しました。この度、リサーチの記録や、その成果として制作された作品の展示を行います。

※公益財団法人内田エネルギー振興財団 地域活性化活動助成採択事業


参加アーティスト

長谷部 勇人

名古屋造形大学大学院修了。地域の特色や素材を活かした自作楽器を制作しています。

ジョージア工科大学のGuthman Musical Instrument Competition 2014でMost Unusual Instrumentを受賞。

※2021年度リサーチ参加

中村 岳

ぼくの作品は彫刻ではない。空中に自由に絵を描きたいと思い作品を作る。空中をキャンバスに見立てて、縦横無尽に絵を描く。絵描きは常に絵画の支持体を意識しており、枠組みで切り取って空間を認識している。立体物を実体として見ているよりも、平面として脳内変換している。

藤田 将弥

作曲家、サウンドアーティスト、サウンドパフォーマンマー。

音楽+αの表現での制作を行う。
愛知県立芸術大学にて修士号、Royal Conservatory DenHague にてArtistCertificate を取得。

三本木 歓

東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。

場所のもつ固有の文脈や空間的な特質、既存のイメージ等を主題に多様な手法で作品制作を行う。第28 回日本建築学会優秀修士論文賞受賞。

※2022年度リサーチ参加

※プロフィールは当時のものです。


展示作品

リージョナルギター#1、#2 / 長谷部 勇人

会場:栄森酒店、吉田菓子舗

リージョナルギター#1

このギターには、希少な小須戸縞が大胆に装飾されています。
小須戸縞が頑丈な布地であったため、塗料を使って貼る時に模様が崩れないか心配でした。
当初は和風テイストなギターになることを想定していましたが、金属の部品と合わさると小須戸縞の模様がモダンに映り、地域文化とミックスしたギターが格好よく完成しました。

リージョナルギター#2

本来、ギターの木材には海外の広葉樹がよく使われます。
それらはヒノキやスギに比べて堅いため、楽器作りに向いています。
それでも日本の木材でギターを作りたいと思い、墨絵のような模様に惹かれ、このギターには柿のを使用しました。
舟運(昔だから木造)が盛んであり、里山も豊かなこの土地で、木材の調査を行ったことがこのギターを完成させることができました。

作品のキャプションより

遡及空間 / 中村 岳

会場:うららこすど

ぼくの作品は彫刻ではない。 空中に自由に絵を描きたいと思い作品を作る。空中をキャンバスに見立てて、縦横無尽に絵を描く。絵筆の代わりに木材に絵具を塗り、組み立てていくことによって、立体的な絵画が作られている。

地元の材木商・新発田屋の協力で端材等を貰い受けて、作品制作をする運びになった。作品設置場所の日本ボケ公園は、小須戸が日本一のボケ栽培地である事を記念して作られた。今回の作品は、ボケの彩り華やかな花が咲くイメージを参考にしている。

小須戸は、江戸時代に舟運の川港町として発展してきた。物資運搬で経済が潤っており、良い木材を使った立派な町屋が数多く建てられており、戦前に建てられた100年を越えた古い町並みが残る。鉄道や自動車が発達した現代人には、川が結びつけるネットワークは想像しにくい。地元の茂林寺に伝わる不思議な伝説がある。小須戸の庄屋が大阪から木造地蔵を持ち帰る途中に、嵐で船が転覆しかけたところを、地蔵の霊験によって救われたという。

ぼくは、これまでも異界巡りや通過儀礼をモチーフに作品を作ってきた。神社の鳥居のように木の回りをくるくると、くぐり抜ける。日本では、天にそびえ立つ樹木より宿ると信じられてきた。根や幹を通じて、天界や地下の冥界に通じている。樹木を聖域のように考えていたりする。

作品のキャプションより

無極の回遊 / 藤田 将弥

会場:町屋ギャラリー薩摩屋

作品解説
私は「縞」を「無極のパターン」と考えます。
無限に続く縞の一瞬を切り取った物がこちらになります。
川の流れのように時間は流れ続けますが、無限の中の一瞬に触れている時間は無限の中に共有されて、そして一瞬に回帰します。
小須戸縞の生の質感を、触れる時間を、皆様と無限の中で共有したいと願っています。

こちらの生地は機織り最後の小須戸縞です。貴重な生地を分けていただきました。

鑑賞方法
※触れる前後に手指の消毒をしていただきますようご協力をお願いいたします。
額の上の小須戸縞を撫でると音が鳴ります。
4種類の柄に合わせた音を用意しております。
ただ、まずは小須戸縞の質感を楽しんでみてください。
小須戸縞には裏表があります。
本展示では、垂れている生地の上面が裏、下面が表になっております。

質感を楽しめる触り方
・猫を撫でるように優しく撫でてみてください。
・垂れた生地を持ち上げて、額に貼られた生地を撫でてみてください。
・垂れた生地と額に貼られた生地の間に手を入れて撫でてみてください。

撫でたり擦ったりする以外は本作の意図に反します。叩かないようお願い申し上げます。

展示のキャプションより

リサーチレポート / 三本木 歓

小須戸地域で江戸時代から続く六斎市「3・8の市」に着目し、出店者が建てるテントなどを仮設建築的視点でリサーチ。小須戸地域だけでなく周辺在郷町での六斎市も訪れる。

※三本木歓リサーチレポートをCAFE GEORGに展示
※プロジェクトの資料展示を町屋ラボで実施


関連事業

オープニング作品解説 & パフォーマンス

■日時:10月8日(土)
10時~ オリジナルギター演奏(約10分、長谷部 勇人)@町屋ラボ
11時~ 作品解説とパフォーマンス(約5分、藤田 将弥)@町屋ギャラリー薩摩屋
12時~ 作品解説(中村 岳)@うららこすど
14時~ 作品解説とパフォーマンス(約5分、藤田 将弥)@町屋ギャラリー薩摩屋

​※参加無料・申込不要。当日直接会場へ。ただし、混雑する場合はお待ちいただくことがあります。
※会場移動は各自でお願いします。町屋ギャラリー薩摩屋からうららこすどへは自動車の利用をお勧めします。

オープニングまとめ動画

藤田 将弥「無極の回遊」 作品解説とパフォーマンス

日時:11月6日(日) 午前11時~、午後2時~(各5分)
会場:町屋ギャラリー薩摩屋

※参加無料・申込不要。当日直接会場へ。ただし、混雑する場合はお待ちいただくことがあります。

南条 嘉毅 小須戸式土器を作ろう!WS

アーティストと一緒に、野焼き用の粘土を使って自由に“小須戸式土器”を整形し、晴れていたら土器の野焼きを体験します!

■日 時:11月6日(日)
午後1時~2時30分(レクチャー、土器の整形)
午後2時30分~4時30分(土器の野焼き)
■会 場:町屋ラボ
■講 師:南条 嘉毅 氏(美術家、水と土の芸術祭2012、小須戸ARTプロジェクト2015、2018参加作家)
■参加費:1000円(材料費(粘土や炭代)など、当日支払い)
■定 員:先着10名
<注意事項:必ずご確認ください!>
※粘土を使うので、汚れても良い服装でご参加ください。
※雨天の場合は野焼きができませんので、後日野焼きを行い、土器をお渡しします。
※野焼きでの土器の焼成は難しく、土器が割れてしまう場合もあります。予めご了承ください。


Special thanks!

プロジェクトのフライヤーに広告を掲載いただいた皆様です。

CAFE GEORG、栄森酒店、はないろジェム、学びBOX、リラ新潟秋葉店、リラ、吉田菓子店